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対談
座談会

第13回 RRCS対談&座談会

2021年11月29日配信

 

テーマ

野口先生に訊く!

「コンクリートの世界―今までとこれから―」

参加者

 

東京大学・RRCS代表理事

野口 貴文

(野口)
皆さんこんにちは
RRCS代表理事の東京大学 野口貴文です。本日で13回目を迎えますこの座談会、対談でございますけど、今日はお相手が実はいらっしゃらなくて。どういうわけか私に対する質問がいろいろ浴びせかけられるようでございまして。質問の内容をまだお聞きしてないので非常に緊張しております。それではよろしくお願い致します。


Q1.
コンクリ―トに代わる素材は生まれますか?
  • A
  • コンクリートという定義が非常に広いので、現在はコンクリートってセメントを使わないものでも骨材と呼ばれる固体の粒子を繋ぎ合わせたものがコンクリートという定義に考えるとコンクリートに代わるものは現れにくいんじゃないかなと思います。セメントコンクリートに関して言うと代わりうるものが現れるかもしれません。まあ皆さんそういう研究をいまいろんな国でやっておりますので。
Q2.
今までに見たコンクリート製建築物の中で、最も魅了された建物は何ですか?また、是非とも訪ねてみたい建物は何ですか?

A
そうですね、魅了されたというと、いろいろなものに魅了はされてきてはいますが
最もですね。やっぱり安藤忠雄の設計された教会とかは非常に印象的でしたね。ピーター・ズントー(Peter Zumthor)という人がドイツにつくったこれも教会なんですけど。何かそういう意味では教会とコンクリートって合うのかもしれませんけどね、かたまりを使ってそれで開口部がそんなにないような状態にはなってしまいますけど。コンクリートのテクスチャーが生かされ、そこにわずかな光が差し込みとかっていう感じ。まあそういう宗教建築とかはあるのかもしれません。その辺が、ピーター・ズントーがつくった教会は土って作ったのかなと思ったようなまったくコンクリートっぽくないテクスチャーでしたけど。でもコンクリートで作られてってことで印象的でした。見てみたいっていうのは自分が学生の頃に学んでながらまだ見ることができてない建築物ですと、コルビュジエが設計されたようなフランスにもういろいろあるんですけどね。一通りは見ておきたいなという気がします。

Q3.
出身地はどこですか?

A
岡山県倉敷市です。昔は倉敷市ではなくて玉島市って生まれた頃は呼んでたはずなので合併して倉敷市になりました。

Q4.
普段方言は全然でないですか?

A
向こうの人と喋るといきなり変わりますから。タクシーの中で電話してても向こうの地元の人と話していると、その言葉どこの言葉?みたいな感じにすぐなっちゃってるみたいです。

Q5.
1ヵ月お休みがあったら何をしたいですか?

A
1カ月ですか。1カ月あると犬飼っているので、犬を連れてヨーロッパに行ってそれこそ多くても2、3カ所に留まってその街とか田舎だったらその周りの土地でこう、それこそ長く留まってそこでゆっくりしたいですね。

Q6.
1日で固まるコンクリートは科学的に可能ですか?

A
全然問題なく、1日で固まる程度にもよるとは思いますけど。1日で今でも固まってますし、さらに本当に1日で最終強度まで到達できるコンクリートもあるので。それは問題ないと思いますというか、もう今でもあります。ただですね、1日で固まるコンクリートが
良いとは限りませんやっぱり。何でもって言ったらちょっと語弊がありますけど、時間をかけて熟成させた方がいいものってあるじゃないですか。それと同じようなこともコンクリートにもあるっていう。

Q7.
好きな本はなんですか?

A
一番困った質問ですね。「あなた本を読まないわね」って言われるから。今まで読んだ本でっていう話になっちゃって、娯楽的な本しか手にして読んでないから。SF系の本であったりとかですけど、もうかなり昔の方ですけどね。そうでなくて、歴史的な本も海音寺潮五郎が書いた本とかは読みました。それが歴史小説平将門と藤原純友の時代で平安時代のことを書いた本でしたけど。今だと明治維新の頃のいろいろ読みたいなっていうか気には駆られてますけど。新しい時代を切り開くっていう意味でいろいろ人々の思いがあってそれで。結局その人々の思いも実現をするべく頑張るけどそれが果たせず、崩れていき結局今の時代になってますけど。そのあたりの人々の思いがなぜそういう思いになってるのかとかね。結局最後にこう達成できる人ってどういう思考回路なんだろうかなとか。そんなところは非常に面白いなと思いますけど。崩れていって新しいものが生まれるときっていう
非常に躍動的なことに変わっていく瞬間っていうのは非常に面白いなと思うんですけどね。

Q8.
多くの学協会の活動をされた中で、最も印象に残っている成果は何ですか?

A
私が研究を始めた頃の、始めたって言うより、実際に社会に対して貢献できるような成果として残せたものっていうのは非常に印象に残っていて。今マンションって超高層のね建つようになってるじゃないですか。それを建て始めるのにあたって国家的なプロジェクトに参画をさせてもらったんですけど、その中でいろんなところで実験をやってきてそれを世の中に出すためにそれこそ数千のデータを集めてそれを元に、そのコンクリートの、具体的にいうと強度とヤング係数という関係式を作らなきゃいけないって言うときに、いろんな方からデータをいただいたりしてその強度とヤング係数の関係式を導き出したという成果があって。それが私とお世話になった友澤先生という先生で連名で発表したんですけど。最初はですね友澤・野口式とかっていう関係式の名前が付こうとしてたんですよ。でも断って。っていうのは、そんな人な名前が付いていくっていうのは良いように思うかもしれないけど、皆さんに使ってもらおうとしたらもうちょっと汎用的な名前をつけたほうがいいんじゃないかっていうことで。そのときにちょうどやってたプロジェクトの名前がNewRCプロジェクトっていうものだったんですね。新しいRC、レインフォースドコンクリートを作りましょうっていう国家プロジェクトだったんですけど。だったらこれNewRC式にしましょうってことで、そっちでお願いしますっていうことを申し上げて。まあそれで採用いただいてということで私とか友澤先生の名前が入ってるからそれはそれで良かったのかも知れないんですけど。むしろ我々の名前が付いてない方がいろんなところに引用してもらうのに変な忖度っていうかですね、思考が入らなくて済むので。そういう意味では今、日本建築学会だと学会式にまでなっちゃったので、それは本当に非常に自分としてはそれに関われて幸せだったなと、そう思います。

Q9.
休みの日は何をしていますか?

A
大体いつもほとんど同じ過ごし方をしているので、溜まっている原稿を書いているとか、合間に犬の散歩に行くとか、買い物に付き合うとかぐらいですかね。なかなかまとまった休みが取れないから遠出ができませんので近場をうろちょろしてるっていうぐらい
かなと思います。

Q10.
この業界に興味を持ったのはいつですか?

A
コンクリート業界に興味を抱いた、興味を持たなきゃいけなくなってしまった
っていう方がたぶん正しいんじゃないかと思いますけど。研究対象がコンクリートだったので業界のことなんて研究を始めた頃は知らないですよね。どういう業界なのかって、業界に興味を持ったとすると自分の博士論文がまとまるころですね。自分がちょうどですね生コンクリートの工場を、それこそ何十カ所くらい訪れていろいろこう依頼をしたりとか言うようなことをしていたので。その時に生コンクリート工場が東京にどこにどれだけあるのかというようなことを知って。その業界ってどういう組織になっているのかとかですね、その辺が目の当たりにして現実を知ってという状況の中で、多分その頃にちょうどですね
コンクリートの為の指針とかガイドラインみたいなものを一緒に作っていきましょうというような動きがあったので。そこで興味を持たざるを得なくなったっていう事です。

Q11.
東大を受験した当時は建築学科が第一志望でしたか?

A
そうですね。もう大学の入試の時点で東大以外の滑り止めの大学とか受けましたけど
そこはもう建築っていうふうに志望して受けてましたので、何か建築に行こうと最初から決めて。東大に入ってそれから建築に行くための進路選択っていうのが2年生の時にやりますけど、そこでも当然建築と書いて他の志望は書いてないかもしれないですけどね。目指しているべきというか、自分の夢みたいなのは建築デザイナーだったわけですよ。建築のデザイナーになりたくてとは思ってたんですけど、やっぱり建築学科に進んで、デザインの課題がいろいろ出てきて。だんだん、だんだん難しくというか、複雑なものを課題として与えられて。それに対する自分のデザインを示さなければいけなくなってきたときにどうしてもですね、周りを見ると発想力が全部違うんですよね。後にやっぱりデザインの先生が言っていたのは、小さい時から良い空間を見てきているかどうかっていう。いい建築物であるとか、いい空間を体験しているっていう、そこが理屈じゃないところであるので。どっちかっていうと私って理屈で考えるような方が自分としても向いてるなって思ったのはやっぱりそのへんがこうあってですね。好きなものと自分に合っているものが違うというのはそのへんで認識しましたね。でもデザインは自分にはやっても役立たないから、むしろもうちょっと違う理屈的なことでサポートできるような方向へ向かおうかなと思ったのが、もうそれ半年くらい経って思いましたよすぐに。

Q12.
コンクリートは古い建築材料ですが、未だに研究は必要です。野口先生が携わった最初の頃と、今では、研究テーマは変わってきてますか?

A
研究テーマは変わってないと思います。ただ研究の手法が変わってきているというか。先端技術として、当時はそれこそ日本に1台あるような機械だったかもしれない。で、分析をして何が起きてんだろうかということを明らかにしていくのが手元にある機械でできるようになり、更に分析能力が上がってきているっていうところで、目的は同じかもしれないけど手法が変わって進化してきたというふうに思いますね。コンクリートの研究をやり始めて感じてるのは、コンクリートって古い材料ですよねって。だけどまだ研究してるっていうのは本当のことがまだ分かり切ってないから。なんとなく固まっちゃってるんですね。なんでそれ固まってるのっていうところを本当に100%分かり切ってるわけではない。

Q13.
もし現在大学生だったら、野口研究室を選択し、博士課程まで進学しますか?

A
そうですね、なかなかそういう想定はしてなかったから。私がそもそも自分の今の当時の研究室を選んだのも、あえてそこに行きたくて選んだっていう訳ではないので。実は誰も行く人がいなかったんですその研究室。ここに行ったらたぶん自分一人だから、何かいいことあるかもしれないな、っていうぐらいの気持ちで行ったのでだから今でも行くかもしれませんね。それこそなんとなく創り上げてきたコンクリートで、それがコンクリートでなくても建築材料はそうなんですけど、建築物を作るにあたってはなくてはならない物なんですね材料って。だからそれが重要であるという認識をもしかしたら、もう一回同じように
学生戻っても持つと思うんですね。そしたら今の私の研究室に行きたいなって思うじゃないかなと思います。

Q14.
睡眠時間は何時間ですか?

A
6時から6時間半じゃないですかね。早寝早起きになってきてますね、5時には目が覚めるから。11時には寝ますね。遅い時はそれこそ12時頃までとかね、超えてってのはありますけど、でも起きる時間はだいたい5時ですね。そういう時って眠いですねやっぱり。

Q15.
100年後のコンクリートはどうなっていると思いますか?また、人類が火星に住むとき、コンクリートは活躍しますか?

A
やっぱりセメントコンクリートがだんだん割合としては、少なくなってきてるじゃないかなと思いますね。但しセメントがもう一回リサイクルされてセメントが作られてるのであれば、セメントコンクリートが残り続けるんじゃないかと思います。もしセメントがリサイクルされなければだんだんセメントコンクリートが変わってきてるんじゃないかと思って。セメントを使わないようなコンクリートが出来上がっているかもしれません。それがかなり予想としてはどちらかなっていう。セメントがリサイクルされなければセメントコンクリートがだんだん減少してきてるので。火星の話ですけど、行くかっていう話だとは思うけど、行ったとしてもせいぜい降りて帰ってくるぐらいじゃないかと思います。アポロね、子供の頃のだから50年くらい前ですか。今でも人間そこで生活してる訳じゃなくて宇宙ステーションがせいぜいじゃないですか。火星ってたぶんまだまだ先ですよね、火星のコンクリートの研究してますけど、うちでも。作れるだろうなとは思うんですけどね、本当に作って何かをそこで活動するのかっていうとちょっと怪しい気がします。あまり夢がそこはないんですけどね。

Q16.
健康の秘訣は?

A
すぐ忘れること。忘れるっていうのは、僕はあまり敏感ではないと言われているので。
まあ忘れるってより敏感でないことかもしれませんけど。鈍感なこと。周りのリアクションが読めないっていうか、それが鈍感であるっていうのもあるかもしれませんし。言葉もある意味尖ったようなこと言われてもそのうち忘れちゃうので。だからあんまり頓着しないそういうことに。っていうのはあるんじゃないかなと思います。

Q17.
コンクリートの価値の中で、最重要と思われるものは何か。またそれは、時代によって変わって来てたと思いますか?

A
変わらないんじゃないかと思いますけどね。コンクリートの価値って長持ちすることだと思いますけど。私がこの研究室選んだのがさっき誰も行かないと申し上げましたけど、実は当時の教授の先生が、これからの時代は耐久性だって言って。もう本当に真に受けたと言ったらあれなんですけど、まさにそうなんですけどね。耐久性だと、コンクリートって当時耐久性ないっていう事で世の中騒いで。新幹線の高架橋が崩れ去るとかねみたいな小説ができたりしましたけど。でもコンクリートって耐久性がないっていうのは、実は中に入ってる鉄のせいなんですって。最近もう本当にそれをひしひしと感じちゃってるので
、コンクリート自体は非常に長持ちするものですと言うことで、価値としては塊として
そこに存在し続けられる。それが地球上で安定な状態に自然に変わっていて、我々の生活を守ってくれるっていうものになり得るので。これはコンクリートの一番の価値じゃないかなと思います。

Q18.
一番のピンチなんですか?

A
一番のピンチはソフトボールに明け暮れていて勉強をしなかった時かな、いや本当に。
ピッチャーやっててそれこそ、こういう運動系の部活動ってだいたいうちの大学だと3年終わったときとか、4年の春ぐらいで皆さん引退をしてたりはするんですけど、僕4年の秋までやってましたから、最後まで。もうそっちの方に一生懸命になってて、やっぱりね本当にその時は1回、川崎の巨人軍の、2軍のグラウンドがあるんですけど入団試験が読売新聞にいついつありますとかって書かれてるから行ってみるかとかって思ってたこともあった
ぐらいで。項目が何個かあって、それもしかしたらこれパスできるなと思ったから、という感じでした。勉強もうちょっとしとけばよかったかなっていうくらいピンチといえば、それが一番のピンチじゃないですかね。

Q19.
人生で一番のピンチを教えてください

A
そうですね今やってるムーンショットの事業があるんですけど、ムーンショットが完成するまでは頑張りたいです。

Q20.
コンクリートの魅力はなんですか?

A
コンクリートの魅力ですか、そうですね。どんな形でも作れる、それが塊として我々の周りにどこにでも存在してくれて、陰ながら、実はあんまり目立たないんですけどね。陰ながら我々の生活をちゃんとサポートしているっていう、その魅力にみなさん気づいてないから。どっちかっていうとなんか泥臭い汚いっていうようなイメージで捉えちゃってるので。それがやっぱり本来はどんな形にでもなれ、それが我々の生活をちゃんと守ってくれてるっていう、これが魅力だと思います。


(野口)
皆さん、今日は本当にこんな質問が浴びせかけられるとは想像もしてなかったので、窮するところがたくさんありましたが。これを機にですね生コン・残コンソリューション技術研究会コンクリートの魅力を皆さんに伝えて、より良い街づくりなりインフラを皆さんと共に作っていきたいと思いますので、ぜひご支援のほどよろしくお願い致します。ありがとうございました。