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対談
座談会

第7回 RRCS対談&座談会

2021年5月10日配信

テーマ

カーボンニュートラルに向けて、コンクリートが貢献出来ること

「環境金融の現在と未来

参加者

吉高まり氏

三菱UFJリサーチコンサルティング株式会社

経営企画部 副部長

プリンシパル・サステイナビリティ・ストラテジスト

(野口)
視聴者の皆さんこんにちは。
一般社団法人 生コン残コンソリューション技術研究会の代表理事を務めています、野口貴文でございます。本日は7回目の対談になりました。毎月の配信を楽しみにされている方も数多くいらっしゃるかと思います。本日は前回に引き続きましてコンクリートのカーボンニュートラル化に向けて非常に重要なメッセージを頂けると、私も楽しみにお伺いしております。テーマは「環境金融の現在と未来」ということでございまして、全く金融に素人の私が今日のゲスト吉高さんにお尋ねをするということでお願いしたいと思います。
今日のゲストは三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部門 副部長 プリンシパル・サステイナビリティ・ストラテジストの吉高まり様でございます。
本日はよろしくお願いいたします。

(吉高まり様)
よろしくお願い致します。

【環境金融の現在】

(野口)
それではまず、私は本当に素人なので、そのあたりについてまずはコンクリートに限らず世界のESG投資であるとか、炭素税カーボンクレジットグリーンボンドというようなものが今どのような動きになっているのか少しお伺いできればと思います。

(吉高まり様)
ありがとうございます。はい、私自身、環境金融というのはもうかれこれ20年以上関わっておりまして、基本的には気候変動ファイナンスということで二酸化炭素の排出によって温暖化が起こるということの中で、どのようなビジネスが考えられるか金融機関にいながらそういったビジネスを考えて参りました。世界的にも市場がございまして排出権市場というものビジネスを図ってきたのです。
そしてちょうど2014、5年ぐらいから急に、私の前職がモルガンスタンレー証券で今も兼務しているんですけれども、そこのお客様である機関投資家が急に、「吉高さん、環境の勉強をしたい、気候変動の勉強をしたい。」と仰るようになったんですね。それまでは私がやっている事はどなたもご関心なかったくらい。それは実はこのESG金融という流れがあったわけなんです。で、私自身先ほど申し上げたように20年近くこの気候変動に関するファイナンスとビジネスをしてきたわけなのですけれども、それでCOP(Conference of the Parties)といわれる国際会議にも毎年出ておりました。で、2015年ぐらいから急にGAFAが会議に来るようになって、ビジネス界がガラっと変わってきたんです。つまり世界の投資家が我々グリーンボンドを買っていきますとか、それからESG投資をしていきますっていう事をあの会議の中で言っている。GAFAも、我々はクリーンエネルギーに関連する投資をしていく、こういったことが実際に話し合われてたのが2015年ぐらいなんです。これはパリ協定が採択されただけでもないんです、実は。

【環境金融の現在】

(吉高まり様)
やっぱりESG投資というのは実は投資家、特に機関投資家といわれます。長期で何十兆何百兆円と運用している投資家が、まぁ、長期で運用いたしますので長期視点で運用する際にしょっちゅう株式を売ったり買ったりするわけではないですよね。そのときに企業を評価するときにその会社の短期的収益ばかりで評価をするというのはどうなんだろうと。例えばリーマンショックのあまりサブプライムローンという短期的に収益が出るようないったものに投資するというのは本来あるべき姿なのか、そしてそのために金融システムそのものが壊れかけたということで非常に大きな反省に立ったわけです。
そこからですね、金融機関はその企業の評価を財務以外の情報、非財務情報ですね。これについてもっと企業に対して長期的にリターンが見えるようにということで評価したのがESG投資なんです。よくE・S・Gという風に分けているので環境に良い会社とか、社会に貢献している会社、そういうふうに皆さん思われて過去のCSR活動と少し混同される方がいるんですけれども、もちろんCSR活動というのは企業としてしなくてはいけないところなんですが、今ESG投資というのはその土台に立ってさらに将来伸びそうな成長戦略を評価してということになるわけです。
そうしますと、例えば私の先程も申し上げたように、投資家様ともお話ししますし、今ほとんどが企業の経営者様とお話するんですけれども、この双方のギャップを感じるわけですね。企業は、我々は企業として社会にこういった責任を持ってこれをやらなくちゃいけない。
過去の情報をきちっと出されて、環境基準法を守っている。こういった情報をお出しになるのですが、投資家が欲しいのは、それは基本的にやらなくちゃいけないことですよね。
やらなければそれは企業の評価が落ちることになるのでリスクです。でもこのリスクだけではなくて、もう1つビジネスチャンス。将来のビジネスチャンスについて見たいというのがESG投資のもう1つの重要なところです。
特に、Eですと気候変動、Sですと人権、あとは人材問題ですね日本の場合は。少子高齢化ジェンダーなどありますので。こういった観点でその会社の将来のリスク、将来のビジネスチャンスを見るというのがESG投資でございます。

(野口)
非常にわかりやすく解説をいただきまして。
そう考えますと投資家は、今の話を私が解釈したのは当然今までのCSRレポートみたいなものを作ってくるのは当然のことであって、その、それこそ短期的と言うより長期的なそれこそ2050年、2100年はちょっと長いかもしれませんけど、それぐらいのところで世界が何を求めているか、そこにきちっと対応できる企業になって行こうとしているのか、もしくはもうなっていっているのか、その辺がある意味長期的な観点での投資家の視点であるということなんですね。

(吉高まり様)
はい。ですので、じゃあ2030年SDGsの目標年、それから2050年カーボンニュートラル目標年。このときに社会がこうなっていてその時にあなたの会社はどのような存在でいるのかということを考えて、今どのような成長戦略を経営のトップが考えているかということが重要なんです。それを発信することが重要なんです。
残念ながら日本の企業様の場合、非常に真摯にご対応をされるので出来ること必達目標を積み上げることに集中されるんです。でもそうしますと例えば今回のコロナのようなことが起こったときに、どれほどフレキシブルに、強靭にこの経営が対応できていくのかこの力を見たいというのがESG投資の考えですね。

(野口)
今後20年とか30年という年月って、何がそういう意味では起き得るかわからないということも言えるかもしれませんし、環境問題だけではなくてそういう健康問題も含めて、あと人権問題もそういう、いろんなリスクが潜んでいる。そこへのいかにリスクを軽減したりとか、リスクをもうそれこそ払拭するようなことをそこの企業が目指しているかというあたりで。どちらかというと私も先に進んで問題がないので、リスクがないのでそこへ進みましょうという形をとりがちだったかと思うんですけど。じゃなくて先にリスクを読みながらそこに向かってどういう方策を講じていくかというふうに考えてらっしゃるのかなということですかね。

(吉高まり様)
あとは払拭だけではダメなんですね。その投資家が言うのは基本的にビジネスリスクとビジネス機会・Opportunityを見ることなので、じゃあリスクというのは社会の課題でありニーズです。それが払拭できるのであれば、その技術が反対にビジネスチャンスになるんです。そうしますとその企業の成長戦略に繋がるんです。そのようにストーリーが語られなくてはならない。払拭だけではリスクを低減して終わりじゃないですか。

(野口)
まだ私の頭の中はそこにこだわっちゃってるから、更なる先はそこでビジネスチャンスをいかに掴むか、そこにやはり、先をいかに読めるかというのは非常に重要ですよね。

(吉高まり様)
決して簡単ではないのですけれども、今回のコロナも誰も想像していなかったので。ただ常にそういうことを考えられる経営層かということを投資家は対話をもって知りたい。なのでそういった情報が出ていなければ知る由がないんですよ。公開されている情報を見ますので、頭の中で思っていても行動していたり発信しなければ考えていない事と一緒になってしまう。ですのでそういった面では発信するということが重要なのと、やはりこういったものはどうしても環境部やCSR部におまかせの企業が多いんですけれども、やはり経営トップが常に考えている必要があろうかと思うんですね。

(野口)
なるほど。たぶん建設業界・コンクリート業界ってどちらかというとコンサバティブな産業で、経験によって積み上げられてきたようなところが非常に重要であったりというようなところがあって。先を読んで、例えば大胆な発想のもとに新しい世界を切り開いていくというのは、かなりそういう意味では未だにやっぱりハードルが高いようにも思えてしまうんですけど。でもやはりこの停滞感を切り開いていくとか、将来の理想的な社会を目指す為にはやはりそのあたりを建設業界・コンクリート業界も自ら作り出していかないと。どちらかというと後追い的な話が多かったと思うんです。それを先に先にやっていかないといつまでたっても後塵を拝するようなことになるんじゃないかな。その辺、いま頂いたお話で強く肝に銘じますという感じになりましたけど。

【経済合理性の視点】

(野口)
あの、自分で企業に関わっていないという状況の中で、やはり未だにですね、例えば私も研究開発を進めているコンクリートが二酸化炭素を利用してというような研究開発を進めている中で特によく聞かれるのが、昨日ちょっと記者会見したときに、「このコンクリートはCO2を使ったコンクリートです。」と。「いくらなんですか?」と聞かれるんです。
例えばそこで、実は高いんですと言った途端に多分買ってくれないような状態になって今までと同じ値段ですねと言うと、じゃあこっちの方がいいかなって感じてくるんですけどそのあたり、投資家の目ですと例えば高くても買いましょうとか。まぁ、投資家なので逆にどういう形で相互の具体的な企業にメリットをもたらしてくれるかというのを教えていただけますか。

(吉高まり様)
そうですね。基本的にカーボンニュートラルをいま世界中が宣言している形ですよね。そうしますとどの企業もそれに向かっている。彼らは彼らでESG投資家も今実はカーボンニュートラル1.5℃目標に整合性のある形で、金融機関を学んでいくという宣言をし始めている。
ですのでそれはどういうことかというと、彼らが株式を買ったり融資をした先に関しても考えていかなくてはいけないというのが今世界的になっているので。で、その際に例えばもちろんですね、こう、すごく高いということの私もその幅がよくわからないんですけれども、ただ2050年にカーボンニュートラルをために各社のロードマップを引いていくわけですよね。多分もう個社ではできない世界だと思うんです。特に日本の場合再エネもまだまだ高いですし、そうしますとその企業が、例えばあるコンソーシアムを組んで、互いに例えば研究費を出し合ってこの業界全体でCO2削減ができるようなパスウェイをみんなで描いていこうということになればですね、例えば企業がお金を借りる場合にその研究費もそこに入ってくるわけで、補助金という形ではなくて彼らの将来の成長先の中に描けるような技術研究や素材であれば彼らはそれを投資家にも語れるわけですよね。よく私自身もNEDOの事業なんかをセメント会社さんとかご一緒したこともあるんですね。そのときに皆さん描くのは社会がどうなるかってことぐらいだと思うんですが、そうじゃなくて投資家の目線で考えると。例えばですね、ある会社さんはNEDOの実証をやりましたと1、2行に小さくお書きになった。なぜかというと規模も小さいしまだ将来どうなるかわからない。
でも、本当に成長戦略であればR&Dというのは将来に向けてやっているものであるので、もっとこういう世界が来るからこそ我々はこれをやっているということを描けるストーリーが多分上場企業欲しがっているようです。私はいろんな地方とか中小企業から、いや、ESG投資というのは上場している大手企業の話じゃないかと。我々には関係ないんだ。と仰る方も多いんですけど、違うんですね。実は投資家というのは、上場企業のサプライチェーンも見ております。例えば開発会社がビルや工場を建てるときのそういった活動に対して、そこにどんな調達があるかとかその調達先までもチェックしている。そうしますと、じゃあその企業さんは上場企業にどんなビジネスを提供できるかと同じようなストーリーが書けるようなビジネスでなければかえってビジネスチャンスをなくしてしまう可能性もあるわけです。ですので、ESG投資家というのは先程申しましたように今を見ているわけではない。いまコストを安いものを、だったらそれはESG投資家とは違いますよね、基本的には。ですので、私が申し上げたいのは、ある上場もしていない中規模の精密機械の会社さんとお話した時に、実はある上場企業からその機械に対して再エネ100%で作れる可能性があるかと聞かれた。でもそんなのできないと日本では。だったらどうしたらいいかって私に相談があったんです。だったら自治体で再エネをたくさん作ろうとしているところと組んでやるとか。そこに工場を作るとか、そういった色々なステークホルダーとともにやることで資金が呼び込めるというのはあると思うんですね。

【コンクリート業界における課題】

(吉高まり様)
まぁこうやってカーボンニュートラルが世界的に進みますし、菅首相の声明後は本当に変わったと。コンクリート業界はそういったところでは課題もお有りになると思うのですが、いかがでしょうか。

(野口)
そうですね。コンクリート業界の方々は自ら、自分たちでは何もできないということを最初から思っちゃうところから始めるというのが、私にとってずっと気になっているところです。結局お客さんから言われたものは皆さん同じものを提供するという形なので、技術開発みたいなものをそれぞれの企業がやろうとしない。やっても結局は報われない、というのは値段が同じなのです、全て。っていうところがもうずっと昔から中小企業の保護法で守られているところなので、その辺が一番やっぱりこういうESG投資であるとか、グリーンボンドとか言うように環境にいいコンクリートを作ろうと思っても、結局は皆さん同じメニューを出さなきゃいけないので作れないんですよ。なので今回もそちらの方向に向けてですね、業界紙が報道しているんですけど。コンクリート業界もカーボンニュートラルに向かって何をやっていけばいいか考えましょうという形で組織として動き始めました。ですけど「みなさん一緒に行きましょう」という状況がこの先にやっぱり訪れるんだろうなと思うんです。技術開発の点でトップランナーがやっぱり必要だと思うんですけどね。そういうトップランナーを生めないような世界でもありますし、それからESG投資家とかですね、そういう投資家にとってみれば結局のところ、成長させようという企業というのが見えてこないんじゃないかなというふうには思えちゃうんです。なのでそれが一番、生コン業界に潜んでいる大きな欠点というか、そこはやっぱり払拭できないと先が見えてこないんじゃないかなという気はしているところ。

(吉高まり様)
ただコンクリートが大切なプロセスであると。じゃあそれに代わる別の素材が出てきたときにどうされるか、つまり申先程申し上げたようにCO2削減するって一社でできる話ではないので、実はそういった業界自体に非常に強いつながりがあるのであればそれはかえって武器にできることもあろうかと思うんですね。というのは2050年、それが2080年といってもうどんどんカーボンニュートラル世界になったときに確かに今コンクリートは絶対必要かもしれないんですけどわからないですよね。どんな技術が出てくるかは。そういったときにそれに対応できるだけの今業界で出せるかどうかというのも重要なのかなと。
なぜかというと今度コンクリートを使う側の方がサプライチェーンで投資家が見てみますのでどの素材が必要かを選ばなくちゃいけないということにもなるんです。
その時に今おっしゃった何らかの技術っていうのは見せ続けないとほかの技術が出てきた場合に、いやコンクリートはもういいです。いう事になりかねないじゃないですか。そこはいかがでしょうか。

(野口)
そこは業界としても一番危惧しているようです。なので、全員で一致団結してそっちのほうに向かわなきゃいけないと重い腰を上げたという状況かと思うので、コンクリート業界も臭いものに蓋しろというようなところは多分あったんじゃないかとは思うんです。だけどむしろグリーンな状況を目指すのであれば、透明な状態でどんな貢献を具体的にしているんだと。それを数値化して見せていかないと、結局のところそれがすべてのコンクリートにおいてできてくるのであれば非常に望ましい状況になって。木材がカーボンニュートラルであるっていう、これはもう自然の成り立ちで木材も成長の時にCO2吸ってそれで固定化していっているのと同じように、コンクリートもカーボンをうまく取り込んでニュートラルの世界がこうやって作れるんですよ。ということを示せれば、それはやっと初めて世間で認めてもらえるような材料になるのではないかなと思っています。

(吉高まり様)
見える化して示して、あとは投資家は決して今非常に悪い状態の数字が出たからすぐに止めちゃうとかそういう事を言っているわけではない。さっきから申し上げているように将来に対するあなた方の姿勢とかあなた方のパスウェイ、ロードマップですよね、そういったものをバックキャスティングでちゃんと考えて進もうとしているかをみたいのです。なので、決して今情報を出すことによって何かすごくペナルティーになるとかそういうことではない。それよりも今こんなに悪いけれどもだったら伸びしろがあるって事じゃないですか、改善する。それをもっともっと自信を持って発信することによってそれを使ってくださるお仲間が出てくる。そうすると投資家もそれを、なぜかというと私は20年以上もやっているとですね、これまで投資家というのはそういう観点で評価したことがないんですよ。なぜ今SDGsと言われてるかというと、投資家にとって17ゴール、あっ社会課題ってこういうのがあるんだ。この企業さんはそれに貢献して世の中のニーズに合っているんだということを、それをもって理解ができるコミュニケーションツールになっているわけなんですよ。ですので皆様にとって当たり前な環境問題って、投資家は今まで考えたことはないですから。それをどのように、こんなに価値があるってことはもっと積極的に個社だけでなくこういった協会を通じてでも示せていければすごく良いのではと思いますね。

【2050年に向けてグレートリセット】

(野口)
RRCS・我々の研究会で、例として進めようとしているようなものがありまして。それがちょっとアスファルト業界との対比をしなきゃいけないので例として考えていただければいいんですけど、道路。大手町の周りの道路もだいたいアスファルトで道路舗装はされています。それをコンクリート舗装にしましょうという、というのは実はもう10年ぐらい前からですね、コンクリート舗装のほうが長持ちしますという事と、あとはヒートアイランド現象とかもあって、コンクリートの白い色とアスファルトの黒い色だと、そこに吸収するエネルギー量、熱量が違うので、コンクリートのほうが反射してくれてヒートアイランドも抑制できるのではないかと。さらにそれに加えてコンクリートを透水性にしましょうという。それを更に今のカーボンニュートラルということで、コンクリートは実は大気中の二酸化炭素を長年にわたって吸い続けます。で、固定化していくのでCarbonCaptureをすることでそれを透水性のコンクリートだと穴がいっぱい入っているので、二酸化炭素が通りやすく吸着しやすいということで、アスファルトに比べるとよほど環境には良いものになるのではないかというあたりをいかに説明して評価していこうかという動きをしようとしているんですけど。その辺に対して投資家の面から見てもうちょっとこうやったらいいんじゃないかとか、それともどれぐらいの投資が期待できるのかなど、逆に我々にとっては非常に気になるところなんですがいかがでしょうか。

(吉高まり様)
例えばですね、東京都がグリーンボンドというものを発行しました。これは都債で、東京都の資金を調達する際にですね、通常の都債ではなく、その調達した資金を環境・グリーンに特化した形で資金調達しますという事で、調達したんですけど。その資金使途の中にヒートアイランド対応とそれからの気候変動の適応、要は私共の言葉で言うと物理的リスクと言うんですけども、つまり温度が上がり異常気象が非常に増えていて、洪水の問題も非常に大きくなっている。こういったものにどう対応するかっていうのを実はこのグリーンボンドの資金使途となるのですね。ですので、私自身は今のストーリーですと、気候変動のリスクとビジネスチャンスということで金融機関が見なくてはいけないのは2つのリスクになります。1つは移行リスクという世の中の政策や世の中の主張が脱炭素に向かったときにあなたのビジネスは大丈夫ですかというリスクです。
もう1つは物理的リスクということで、異常気象が頻繁になるとか、じゃあとこのまま4度上がってしまうと言われている世界になった時にあなたのビジネスは大丈夫ですかというリスク。そしてもう一方で、それに対応できればビジネスチャンスがという事で、これを見るというところで、今の先生のお話で頂いたのは両方なのかなと。移行リスクと物理的リスクを両方に説明できる素材なのかなということで、まず例えばそれがそういったリスクに対応できる素材ということであれば、使う側にとってはそれはリスクの軽減になりますし、売る方にとってはビジネスチャンスになる。そういう風にご説明されるのもいいのかなとは思いました。ただその、化学的なことを私が継承させて頂いたわけではないのでそこはちょっと置いといて。そういったストーリーが、分かりやすいストーリーが重要なのかなと思いますけど、いかがですか。

(野口)
そうですね。やはり我々研究者とかにとっては、やっぱりそこの部分はデータをもって実証していくというあたりをきちっと示せると、それだけで多分投資家にとってみればクリアに将来を見越していってくれるのかなというか、そういう風には思えるところで。企業がその方向に向かって動くというときに唯一気になるのはですね、いずれにしてもよく言われるのがやはり規制産業というか、との軋轢っていうんですかね。既に、例えばアスファルト業界との軋轢とか、その辺がやっぱり一番抵抗になってきて。いろんなことやっぱり新しくやろうするといつも聞かれます。私もこれを進めようとすると、そういうすでに既成事実としてあるとかそういう産業があるところで、そこをいかに克服しますかっていう。

(吉高まり様)
それはカーボンニュートラルだけはそういうことを言ってる場合ではない。私自身も本当にこのスピード感に驚いているんですよ。私も先程から申し上げているんですけれども20年以上関わっているのに、この半年ですこんなにガラッと変わっているのは。そして私自身も過去の知見の蓄積があったとしても追いつけないぐらい金融業界が変わっている。世界のマネーが変わっている。いまグリーンリカバリーでそのコロナ後の世界というのはどういうことかという事と、例えばデジタライゼーションとかということだけではなく、DX+グリーンと言われる。この部分がなければこの後の世界はないぐらいのコメントをされる世界のトップリーダーがいらっしゃるんですよ。これあの、Build Back Betterって、元の世界に戻るんじゃないと、より良い世界を作るんだことで、今年の8月に開かれますダボス会議でも、Great Resetという言葉があって、もう、リセットするんだと。
だからその規制業界の状況の関係は分からないんですけど、リセットして新たにカーボンニュートラル世界をつくらなければ、特にいま気候変動の、私COPなんか行きますと、やっぱり自然資源の枯渇の問題との非常にカップリングの議論が多いのですね。ですので、いかに限られた資源をきちんと使っているか、それも投資家はすごく関心が高い、サーキュラーエコノミーと言うんですけれども。このサーキュラーエコノミーと気候変動の問題をもう分けては考えられない。ですからこの両方のコンテンツを持てる素材でありサービスであり、そういったものが今後のニーズとしてあるので、規制は規制としてそれがずっとそのままであるかどうかはそれこそ不確かな状況であるというふうに思っていただくのがいいのかな。

(野口)
なるほど。

(吉高まり様)
そこを投資家は探してるんですよ。つまり、投資家って作業時に必ず先を見ます。先を見るときに今の規制がそうだからって、それじゃつまらないですよね。だってそれだったら株価って変わらないって事になっちゃうじゃないですか。常に常に新しいところを探していくので、そこに対応できるようなストーリーを発信していくことでだいぶ変わってくるんじゃないかと思うんですよね。そこの中でやるのはちょっと良く分からないですけど。

(野口)
なるほど。わかりました。資源も決して有限ではないというのは、これはセメント・コンクリート業界でも何回も申し上げている通りで、多分100年続かないです、このままですと。ということも踏まえて今のうちにデジタルトランスフォーメーションではないですけど、トランスフォームしないといけませんね。まぁトランスフォームいきなりというより、トランジションしながらトランスフォームという感じになるのだと思いますけど。

(吉高まり様)
トランジションにも資金は出ます。ESG投資家もトランジション起こしたい。いきなり素晴らしいグリーンの世界に行きたいという訳ではなくて、やっぱり確実に投資家が欲しいのはパフォーマンスです。利益も欲しいと。しかしながら、その利益というのは今の利益ではなく将来の利益を見たいというところがあるので、そこに対する問いかけを企業側からもしなくちゃいけないし、投資家側からもしなくちゃいけない、私はやっぱりこの差がですね、まだまだ日本では大きいなという気がしてますね。

(野口)
今日は非常に重要なお言葉を頂きまして、やはり2050年、ここは最低でも見据えて今後コンクリート業界、建設業界進んでいかないと、やはり取り残されるだけではなくてこの業界世間から見放されますので。ぜひ2050年の我々の目指すべき世界を描いてそこに向かって一緒に進んでまいりたいと思っております。またなにかお聞きしたいことが、多分我々の中で出てきますので、その時にはぜひお知恵をいただければと思います。
ありがとうございました。

(吉高まり様)
ありがとうございました。